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        <title>判例（裁判例）紹介</title>
        <link>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/</link>
        <description></description>
        <language>ja</language>
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        <item>
            <title>消費者契約法12条に基づく差止等請求事件(最高裁判所第1小法廷 令和4年12月12日)</title>
            <description><![CDATA[事件番号　最高裁判所第１小法廷判決　令和３年（受）第９８７号<br />
判決日時　令和４年１２月１２日<br />
<br />
&nbsp;<br />
<br />
【判示事項】<br />
１&nbsp; 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の，賃料等の不払があるときに連帯保証人が無催告にて賃貸借契約を解除することができる旨を定める条項（契約書１３条１項前段）の消費者契約法（以下，「法」という。）１０条に規定する消費者契約の条項該当性<br />
<br />
２　賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の，賃料等の不払等の事情が存するときに連帯保証人が賃貸住宅の明渡しがあったものとみなすことができる旨を定める条項（契約書１８条２項２号）の法１０条に規定する消費者契約の条項該当性<br />
<br />
【判決要旨】<br />
<br />
１　賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託および連帯保証に関する契約書中の、賃料債務等の連帯保証人は、賃借人が支払を怠った賃料等および変動費の合計額が賃料３カ月分以上に達したときは、無催告にて賃貸人と賃借人との間の賃貸借契約を解除することができる旨を定める条項（契約書１３条１項前段）は、法１０条に規定する消費者契約の条項に当たる。<br />
<br />
２　賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託および連帯保証に関する契約書中の、賃料債務等の連帯保証人は、賃借人が賃料等の支払を２カ月以上怠り、連帯保証人が合理的な手段を尽くしても賃借人本人と連絡がとれない状況のもと、電気・ガス・水道の利用状況や郵便物の状況等から当該賃貸住宅を相当期間利用していないものと認められ、かつ当該賃貸住宅を再び占有使用しない賃借人の意思が客観的に看取できる事情が存するときは、賃借人が明示的に異議を述べない限り、これをもって当該賃貸住宅の明渡しがあったものとみなすことができる旨を定める条項（契約書１８条２項２号）は、法１０条に規定する消費者契約の条項に当たる。<br />
<br />
&nbsp;<br />
【参照条文】<br />
法１０条，１２条３項<br />
民法９１条，第３編第２章第７節　賃貸借，５４１条，５４２条１項<br />
<br />
【本判決で問題となった契約条項】<br />
次の各条項中、「甲」は賃貸人、「乙」は賃借人、「丙」は乙の丁に対する債務の連帯保証人、「丁」は被上告人、「原契約」は甲と乙との間の賃貸借契約、「本件建物」は原契約の対象物件である賃貸住宅をそれぞれ指す。<br />
<br />
（１３条１項前段）<br />
<br />
１　丁は、乙が支払を怠った賃料等及び変動費の合計額が賃料３か月分以上に達したときは、無催告にて原契約を解除することができるものとする。<br />
<br />
（１３条１項後段）<br />
<br />
２　甲・乙及び丙は、上記１の場合に丁が原契約についての解除権を行使することに対して、異議はないことを確認する。<br />
<br />
（１８条２項２号）<br />
<br />
３　丁は、乙が賃料等の支払を２か月以上怠り、丁が合理的な手段を尽くしても乙本人と連絡がとれない状況の下、電気・ガス・水道の利用状況や郵便物の状況等から本件建物を相当期間利用していないものと認められ、かつ本件建物を再び占有使用しない乙の意思が客観的に看取できる事情が存するときは、乙が明示的に異議を述べない限り、これをもって本件建物の明渡しがあったものとみなすことができる。<br />
<br />
【意義】<br />
<br />
原判決が，契約書１３条１項前段，１８条２項２号等の各条項が，いずれも法１０条に規定する消費者契約の条項には当たらないとして，原告の請求をいずれも棄却すべきものとしていたところ，最高裁は，契約書１３条１項前段及び１８条２項２号が，いずれも任意規定の適用による場合に比し，消費者である賃借人の権利を制限するものであり，信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるとして，法１０条に規定する消費者契約の条項に当たる（，したがって，無効である）と判断した。<br />
<br />
本判決は，家賃債務保証業者が契約書ひな形として利用する家賃債務の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の複数の契約条項について，最高裁が初めて差止訴訟における契約条項の解釈や法１０条に規定する消費者契約の条項該当性を肯定し，消費者である賃借人の権利保護を図ったことから，今後の賃貸借契約や家賃保証契約の実務に影響を与えうると思料したため，今般，紹介した次第である。<br />
<br />
以上]]></description>
            <link>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2025/07/entry_2238/</link>
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            <pubDate>Wed, 16 Jul 2025 13:24:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>医師法違反被告事件（最高裁判所第二小法廷　 令和2年9月16日）</title>
            <description><![CDATA[［判事事項］<br />
１　医師法１７条にいう「医業」の内容となる医行為の意義<br />
２　医師法１７条にいう「医業」の内容となる医行為に当たるか否かの判断方法<br />
３　医師でない彫り師によるタトゥー施術行為が，医師法１７条にいう「医業」の内容となる医行為に当たらないとされた事例<br />
<br />
［決定要旨］<br />
&thinsp;１　医師法１７条にいう「医業」の内容となる医行為とは，医療及び保健指導に属する行為のうち，医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為をいう。<br />
２　医師法１７条にいう「医業」の内容となる医行為に当たるか否かは，行為の方法や作用のみならず，その目的，行為者と相手方との関係，行為が行われる際の具体的な状況，実情や社会における受け止め方等をも考慮した上で，社会通念に照らして判断するのが相当である。<br />
３　タトゥー施術行為は，装飾的ないし象徴的な要素や美術的な意義がある社会的な風俗として受け止められてきたものであって，医療及び保健指導に属する行為とは考えられてこなかったものであり，また，医学とは異質の美術等に関する知識及び技能を要する行為であって，医師免許取得過程等でこれらの知識及び技能を習得することは予定されておらず，歴史的にも，長年にわたり医師免許を有しない彫り師が行ってきた実情があり，医師が独占して行う事態は想定し難いという本件事情の下では，医師でない彫り師である被告人が相手方の依頼に基づいて行ったタトゥー施術行為は，社会通念に照らして，医療及び保健指導に属する行為であるとは認め難く，医師法１７条にいう「医業」の内容となる医行為には当たらない。<br />
（１～３につき補足意見がある。）<br />
<br />
［一言コメント］<br />
医師でない彫り師によるタトゥー施術行為が，医師法１７条にいう医行為に当たらないとする大阪高等裁判所の判決に対する検察官の上告が棄却され，被告人に無罪が言い渡されました。<br />
<br />
以下，本判決の一部抜粋です。<br />
「タトゥーの施術は、人の肌の上にメッセージ文言や絵柄を刻み込むものであって、思想や感情等の表明であるといえ、表現の自由として保障されるものであるといえる。」<br />
「タトゥー施術業は、反社会的職業ではなく、正当な職業活動であって、憲法上、職業選択の自由の保障を受けるものと解されるから、タトゥー施術業を営むために医師免許を取得しなければならないということは、職業選択の自由を制約するもの」である。<br />
<br />
本判決は，医師法１７条にいう「医業」の内容である「医行為」の意義について最高裁が一定の判断を示したのみならず，医師免許を持たない彫り師によるタトゥー施術が医師法１７条に違反するとの解釈は職業選択の自由を制約するものであるとするなど，医師法の解釈のみならず憲法上の重要論点にも踏み込んだ議論が展開されていることから，先例としての価値が極めて高いものとして紹介する次第である。<br />
]]></description>
            <link>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2021/10/entry_2044/</link>
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            <pubDate>Thu, 14 Oct 2021 18:31:11 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>損害賠償請求事件（最高裁判所第二小法廷　平成７年１１月１０日）</title>
            <description><![CDATA[本判決は、被保険者が配偶者に対して負担する損害賠償責任について保険会社の保険金支払義務の免責を定める自家用自動車保険普通保険約款の第１章賠償責任条項８条３号にいう「配偶者」には、法律上の配偶者のみならず、内縁の配偶者も含まれるものと解するのが相当であると判示しました。<br />
<br />
［事案の概要］<br />
　Ａは平成元年６月９日、先行車両を避けようとして本件自動車を中央分離帯に衝突させ、これにより同自動車の助手席に同乗していた（当時Ａと内縁関係にあった）Ｂを死亡させる事故を引き起こした。<br />
Ａは、Ｙ保険会社との間で記名被保険者をＡとする自家用自動車保険契約を締結した。ＹがＡと締結した本件自家用自動車保険（ＰＡＰ）の普通保険約款第１章賠償責任条項第１０条には、「Ｙは、被保険自動車で被保険者の父母、配偶者又は子の生命・身体が害された場合に、それによって被保険者が被る損害をてん補しない。」と定められている。<br />
　Ｂの相続人であるXらは、Ｙに対し約３０００万円の保険金の支払を請求した。しかし、ＹはＢはＡの内縁の妻であるから自家用自動車保険普通保険約款第１章賠償責任条項８条３号が適用されるとして保険金の支払を拒絶した。そこでXらは本件訴訟を提起した。<br />
　第一審判決（神戸地判平成３・３・２６）及び第二審判決（大阪高判平成３・１１・２９）は、Ｘらの請求を棄却。Ｘらが上告した。<br />
<br />
［裁判所の判断］<br />
　本件上告を棄却する。<br />
　Ａと被上告会社との間に締結されていた後記の自家用自動車保険契約に適用される自家用自動車保険普通保険約款（以下「本件約款」という。）の第一章賠償責任条項八条三号には、被保険者が被保険自動車の使用等に起因してその配偶者の生命又は身体を害する交通事故を発生させて損害賠償責任を負担した場合においても、保険会社は、被保険者がその配偶者に対して右の責任を負担したことに基づく保険金の支払義務を免れる旨が定められているところ（以下、右の定めを「本件免責条項」という。）、本件免責条項にいう「配偶者」には、法律上の配偶者のみならず、内縁の配偶者も含まれるものと解するのが相当である。その理由は、次のとおりである。<br />
　(１)　本件免責条項が設けられた趣旨は、被保険者である夫婦の一方の過失に基づく交通事故により他の配偶者が損害を被った場合にも原則として被保険者の損害賠償責任は発生するが、一般に家庭生活を営んでいる夫婦間においては損害賠償請求権が行使されないのが通例であると考えられることなどに照らし、被保険者がその配偶者に対して右の損害賠償責任を負担したことに基づく保険金の支払については、保険会社が一律にその支払義務を免れるものとする取扱いをすることにあり、右の趣旨は、法律上の配偶者のみならず、内縁の配偶者にも等しく妥当するものである。<br />
　(２)　本件約款の第一章賠償責任条項三条は、被保険自動車の使用等に起因する交通事故を発生させたことに基づき損害賠償責任を負担することによって被る損害について、保険によりてん補される責任主体としての被保険者の範囲を明らかにした最も基本的な定めである。そして、同条の一項二号（イ）には、被保険自動車を使用又は管理中の記名被保険者の配偶者が被保険者に含まれる旨が定められている。ところで、右の定めが設けられた趣旨は、一般に右の配偶者も被保険自動車を使用する頻度が高いと考えられるため、同人を当然に被保険者に含めることとして、前記の損害を保険によりてん補される被保険者の範囲を拡張しようとするところにある。この点では、法律上の配偶者と内縁の配偶者とを区別して別異に取り扱う必要性は認められないから、右三条一項二号（イ）にいう「配偶者」には、法律上の配偶者のみならず、内縁の配偶者を含むとすることにつき何らの支障も認められない。そして、同一の約款の同一の章において使用される同一の文言は、特段の事情のない限り、右の章を通じて統一的に整合性をもって解釈するのが合理的であるというべきところ、右三条一項二号（イ）と本件免責条項とは同一の約款における同一の章に設けられた定めであって、右各条項にいう「配偶者」の文言を異なる意義に解すべき特段の事情も認められない。]]></description>
            <link>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2019/12/entry_1882/</link>
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            <pubDate>Fri, 06 Dec 2019 13:23:29 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>従業員地位確認等請求事件（前橋地裁平成２２年１１月１０日）</title>
            <description><![CDATA[［事案の概要］<br />
　被告Y鉄道会社に勤務していた原告Xは，平成２１年６月に駅の事務室内において，事務室のトイレから出てきた女子高生（当時１７歳）に対し，接吻するなどの強制わいせつ行為を行ったとして逮捕された。同年７月，被告Yは，上記強制わいせつ行為が就業規則所定の「法令，会社の諸規程等に違反した場合」に該当するとして，原告Xを懲戒解雇した。<br />
　そこで，原告Xは，①本件解雇は，客観的に合理的な理由を欠き，社会通念上相当であると認められないから，その権利を濫用したものであって無効である，②仮に，本件解雇が無効でないとしても，退職金には，賃金後払的な部分があるから，退職手当規定に従って退職金全額を不支給とするのは，労働基準法２４条に反し許されないなどと主張して，被告Yに対し，主位的に，労働契約上の地位を有することの確認並びに給与及び賞与の支払，予備的に，１３９７万円余の退職手当の支払を求めた。<br />
&nbsp;<br />
［裁判所の判断］<br />
　裁判所は，（１）原告の行為は就業規則の懲戒事由に該当し，本件解雇には客観的に合理的な理由があり，社会通念上も相当性を欠くとは認められないとして，主位的請求を棄却したが，（２）退職手当については，原告には懲戒免職事由があることを考慮しても，永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な不信行為があって，企業秩序維持等のために賃金後払的性格を有する退職手当の全額を不支給とする合理的必要性があると認めることはできず，一定の割合の支給を認めるべきであるとし，本件強制わいせつ行為の態様及び原告のそれまでの勤務状況等の諸事情を総合考慮のうえ，３割に当たる４１９万円余の退職手当の支給を認めた。<br />
　&nbsp;<br />
]]></description>
            <link>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2015/03/entry_1388/</link>
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            <pubDate>Sat, 14 Mar 2015 17:51:56 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>損害賠償請求事件（東京高裁平成２６年３月１３日）</title>
            <description><![CDATA[（事案の概要）<br />
　Ｘは，銀行の店舗出入り口に敷設された足拭きマットに足を乗せたところ，これが右足を乗せたまま中央部に向かって横ずれしたため，バランスを崩して転倒した。Ｘは，これにより頸部捻挫等の傷害を負い，左半身の感覚鈍麻その他の後遺障害が残ったと主張して，不法行為による損害賠償請求権に基づき，上記銀行の権利義務を承継したＹに対し，損害賠償金の支払を求めた。<br />
　原判決は，Ｘの請求を棄却したので，Ｘはこれを不服として控訴をした。<br />
&nbsp;<br />
（裁判所の判断）<br />
　裁判所は，以下のとおり，銀行の注意義務違反を肯定したうえ，Ｘに４割の過失があるとして過失相殺を認めた。<br />
　本件事故当時，本件マットは，その裏面がやや湿潤し，かつ，波打った状態にあったことから，マット裏面全体と本件床面との間には部分的に滑り抵抗係数の低い部分が存在し，マット表面にその斜め上部方向から力が加わることにより本件床面上を滑りやすい状態にあったところ，Ｘがその右足を本件マット表面に乗せたことによって斜め上部方向からの力が働き，その一部（本件マットの本件出入口に向かって左の部分）が本件床面との摩擦抵抗を失って横に移動し，そのためＸが身体のバランスを崩して転倒したと認めることができる。<br />
　ところで，本件支店は繁華街にあり，店舗内にＡＴＭコーナーが設置されていたのであるから，これを利用するために，老若男女を問わず，様々な顧客が多数往来しており，その都度本件出入口に敷設されていた足拭きマットの上を歩行していたことは推認するに難くない。そして，人が歩行するに際しては，足元の着地面が上から働く力を支え，滑りなどにより体勢のバランスを崩すことがないようにしなければ，転倒による身体損傷等を起こしかねないから，その安全確保のためには着地面の滑り防止が必要とされる。そうすると，本件出入口に敷設されていた本件マットについても，顧客がその上を通常の態様で歩行するに当たって加えられる力により本件床面上を滑ることがないように整備しておくことが求められるというべきである。しかるに，本件事故当時の状態は前判示のとおりであったから，Ｙには，Ｘが歩行していた本件出入口の安全確保に関し，本件マットが本件床面上を滑りやすい状態で敷設されていた点で注意義務違反がある。<br />
　もっとも，Ｙは，本件マットは定期的に交換されており，本件床面及びその周囲も業者により適切に清掃されていたから，Ｙに注意義務違反はない旨主張する。しかしながら，足拭きマット及び本件支店床面の管理を業者に任せきりにし，本件マットの裏面が前判示のような状態にあることを見過ごしていたことからすれば，Ｙの注意義務違反は否定し難い。<br />
　・・・本件事故が発生したことについてはＹに過失があると認められるが，他方，本件マットは本件事故の６日前からほぼ同様の状態で敷設されており，本件事故発生までに多数の来店客がその上を歩行していたにもかかわらず，本件事故発生前に何らかの危険を感じ，被控訴人関係者に通報した者はいない。そして，人が多様な状態の接地面に足を乗せて歩行するに際しては，その場の状況を確認しながら，体勢を維持して転倒しないように注意を用いるのが通常であり，同じ場所を歩行したからといって全ての人に同じ結果が生ずるものではなく，転倒並びにそれによる負傷の有無及び程度は，歩行に際しての注意の働かせ方及びこれに基づく身体反応により異なってくるのは社会的に経験するところである。しかるところ，Ｘは，本件事故時において５７歳の女性であり，健康状態に大きな問題はなく，本件事故前にはジョギングもし，自分では運動神経はいいほうだと思っていたと述べているのであって，これを前提とすれば，Ｘが本件出入口に向かって歩行する際，より注意深く接地面に足を運び，かつ，身軽な状態であったとすれば，右足を乗せた本件マットがその中央部に向かってずれて盛り上がることによって転倒したか否か，転倒したとしても，これによる負傷の有無及び程度については違った結果になったとも考えられるのであって，特に，Ｘが転倒したことについては，左肩及び両手に多数の荷物を抱え，運動の自由を制約された不安定な状態で歩行していたことが多分に影響していたと認められる。このようなＸの落ち度を勘案すると，本件事故発生については，Ｘに４割の過失相殺をするのが相当である。<br />
<br />
&nbsp;]]></description>
            <link>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2015/01/entry_1327/</link>
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            <pubDate>Sat, 10 Jan 2015 16:42:47 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>親子関係不存在確認請求事件（Ｈ26.7.17）</title>
            <description><![CDATA[（事案の概要）<br />
　ＡはＹと婚姻関係にあった<span style="display: none">&nbsp;</span>ものの，Ｂと交際を始めて性的関係を持つようになったが，その間もＹとＡは同居を続け，夫婦の実態が失われることはなかった。Ａは妊娠したが，その子がＢとの間の子であると思っていたため，妊娠したことをＹに言わず，病院でＸを出産した。Ｙは入院中のＡを探し出し、Ａに対してＸが誰の子であるかを尋ねたところ，Ａは，「２，３回しか会ったことのない男の人」などと答えた。Ｙは，ＸをＹとＡの長女とする出生届を提出し，その後，Ｘを自らの子として監護養育した。その後ＹとＡは，Ｘの親権者をＡと定めて協議離婚をし，ＡとＸは，現在，Ｂと共に生活している。Ａは，Ｘの法定代理人として，親子関係不存在確認を求めて訴えを提起した。<br />
&nbsp;<br />
（裁判所の判断）<br />
　裁判所は，まず，民法７２２条により嫡出の推定を受ける子につき，その嫡出であることを否認するためには，夫からの嫡出否認の訴えによるべきものとし，かつ，同訴えにつき１年の出訴期間を定めたことは，身分関係の法的安定を保持する上から合理性を有するとした。そして，夫と子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり，かつ，夫と妻が既に離婚して別居し，子が親権者である妻の下で監護されているという事情があっても，子の身分関係の法的安定を保持する必要が当然になくなるものではないから，上記の事情が存在するからといって，同条による嫡出の推定が及ばなくなるものとはいえず，親子関係不存在確認の訴えをもって当該父子関係の存否を争うことはできないものと解するのが相当であるとした。<br />
　もっとも，民法７７２条２項所定の期間内に妻が出産した子について，妻がその子を懐胎すべき時期に，既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ，又は遠隔地に居住して，夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する場合には，上記子は実質的には同条の推定を受けない嫡出子に当たるということができるから，同法７７４条以下の規定にかかわらず，親子関係不存在確認の訴えをもって夫と上記子との間の父子関係の存否を争うことができると解するのが相当であるが，本件においては，ＡがＸを懐胎した時期に上記のような事情があったとは認められず，他に本件訴えの適法性を肯定すべき事情も認められないことから，本件訴えは不適法なものであるといわざるを得ないとした。&nbsp;<br />
]]></description>
            <link>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/11/entry_1287/</link>
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            <pubDate>Fri, 28 Nov 2014 22:46:40 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>遺言の効力に関する判例（Ｈ26.5.21）</title>
            <description><![CDATA[（事案の概要）<br />
本件は，被相続人Ａ（大正１４年生，平成２３年死亡）が夫のＢが死亡した後である平成２１年９月５日（当時８４歳）にした「Ａの全ての財産を長男Ｙ１に相続させる」とする自筆遺言証書２通に係る各遺言について，Ａの長女であるＸが，長男であるＹ１及び同人の長男であり平成２２年５月届出によりＡの養子となったＹ２に対し，本件各遺言時のＡには遺言意思能力がなかったなどと主張して，本件各遺言の無効確認を求めた事案である。<br />
　原判決が本件各遺言時におけるＡの遺言意思無能力を認め，Ｘの請求を認容したところ，これを不服としたＹらが控訴した。<br />
&nbsp;<br />
（裁判所の判断）<br />
　本件の争点は，Ａが本件各遺言書作成時に遺言意思無能力者であったか否かである。<br />
　裁判所は，本件各遺言書作成前後のＡの精神状態及び日常生活の状況に係る詳細な事実認定をした上，この認定判断に反する甲診療所作成の弁護士法２３条の２所定の照会に対する回答書の所見を排斥し，上記成年後見申立事件で提出された甲診療所の内科医師作成の平成２２年５月２６日付け診断書の証明力を限定して解し，本件各遺言当時にＡが重度のアルツハイマー型認知症により事理弁識能力を欠いて心神喪失の常況にあたったと認定することは困難であるといわざるを得ないとした。そして，本件各遺言書の形式及び内容から見ても，Ａが決意した本件各遺言の内容をその意のままに記載して封入したと見られ，作為性のない自然な状態にあること，本件各遺言をする意思を決定したと推測することができる経緯及び動機が認められることし，他に本件各遺言書作成時にＡが遺言意思無能力者であったことを認めるに足りる的確な証拠はないとして，Ｘの遺言意思無能力の主張を排斥し，原判決を取り消してＸの請求を棄却した。&nbsp;<br />
]]></description>
            <link>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/11/entry_1286/</link>
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            <pubDate>Fri, 28 Nov 2014 22:26:10 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>養子縁組が無効とされた事例（Ｈ22.4.15判決）</title>
            <description><![CDATA[（事案の概要）<br />
　本件は，亡Ａの兄であるＸが，亡Ａは入院中にＹと知り合い２か月ほどＡの家で同居した後に同人との間で養子縁組の届出をしているが，当時，亡Ａには意思能力がなく，また，亡ＡとＹとの間の養子縁組には合理的動機がないなどとして，養子縁組の無効確認を求めた。原審は本件養子縁組を無効としたため，Ｙが控訴した。<br />
&nbsp;<br />
（裁判所の判断）<br />
　裁判所は，一般論として，養子縁組における縁組意思は，社会通念に照らして真に養親子関係を生じさせようとする意思によるものであることが必要というべきであり，こうした意思を含まず，単に何らかの方便として養子縁組の形式を利用したに過ぎない場合は，縁組意思を欠くものとして，その養子縁組は無効というべきである。もとより，養親子関係の社会的な在り方は多様であるから，上記の養親子関係を生じさせようとする意思の内容を一義的に言うことは困難であるが，少なくとも親子としての精神的なつながりを形成し，そこから本来生じる法律的または社会的な効果の全部または一部を目的とするものであることが必要であると解するのが相当であるとした。<br />
　そして，本件について，ＡはＹと入院中に知り合い，Ａの家でＹと同居するようになってからわずか２か月ほど後に本件養子縁組の届出がなされたこと，ＹとＡがＡ方で同居したのは，通算４か月にも満たないこと，その間，Ｙが血縁関係もないＡの看護や日常の世話に意を配ったような経過はうかがわれず，Ａが入院した際は，保健所の職員によって入院させられるほどの重篤な状態に陥っていたこと，また，Ａの葬儀の際，控訴人は香典を受け取ったにもかかわらず，香典返しもしておらず，その一方で，Ｙは，その間に，Ａの資産を基にして，高級外車を乗り換えるなどの散財行為とも見られる行為に及んでいることなど，ＸがＡの資産に依存した消費行動を示しており，ほかには，Ｙが，養親子という社会一般の身分関係を意識した行動を示した形跡は何らうかがうことができない。そして，ＸとＡの間で，親族関係の形成を前提とした会話がなされたような経緯はうかがわれず，Ｘ自身，自分とＡが本件養子縁組をする目的や理由，趣旨を理解しているものとは認められない。<br />
　他方，Ａは本件養子縁組に近接した時点において，前頭側頭葉型認知症の疑いを持たれており，躁状態による脱抑制，人格変化が認められ，病識の欠如から問題行動も起こすなどしており，合理的な判断能力が相当に減退した状態にあったと認められること，ＡはＸがＧとの交際に反対したり，医療保護入院をさせたり，後見開始申立てをしたことなどについて反感を示しており，こうしたＸに対する思慮を欠いた反発感情から，同人への相続を阻止する目的で本件養子縁組に及んだものとうかがわれるところ，それ以上には，Ｙとの間に養親子という親族関係を形成する意思があったことをうかがわせる経緯は一切認められないとした。<br />
　そうすると，本件養子縁組は，Ａが，Ｘとの養親子関係という真の身分関係を形成する意思とは異なり，Ｙへの相続を阻止するための方便として，Ｘとの養子縁組という形式を利用したにすぎないものと認められるから，養子縁組意思を欠くものというべきであって，無効といわなければならないとした。<br />
&nbsp;&nbsp;<br />
]]></description>
            <link>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/10/entry_1196/</link>
            <guid>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/10/entry_1196/</guid>
            
            
            <pubDate>Tue, 28 Oct 2014 22:38:33 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>産業医の不法行為を認めた事例（大阪地判Ｈ23.10.25）</title>
            <description><![CDATA[（事案の概要）<br />
　本件は，自律神経失調症により休職中であったＸが，勤務先の産業医であるＹとの面談時に，詰問口調で「それは病気やない，それは甘えなんや。」，「薬を飲まずに頑張れ。」，「こんな状態が続いとったら生きとってもおもんないやろが。」などと非難されるなどしたため，病状が悪化し，このことによって復職時期が遅れるとともに，精神的苦痛を被ったとして，不法行為による損害賠償請求権に基づき，逸失利益の一部の賠償及び慰謝料の支払等を求めた事案である。<br />
&nbsp;<br />
（裁判所の判断）<br />
　Ｙは，産業医として勤務している勤務先から，自律神経失調症により休職中の職員との面談を依頼されたのであるから，面談に際し，主治医と同等の注意義務までは負わないものの，産業医として合理的に期待される一般的知見を踏まえて，面談相手であるＸの病状の概略を把握し，面談においてその病状を悪化させるような言動を差し控えるべき注意義務を負っていたものといえるとした上，産業医は，大局的な見地から労働衛生管理を行う統括管理に尽きるものではなく，メンタルヘルスケア，職場復帰の支援，健康相談などを通じて，個別の労働者の健康管理を行うことをも職務としており，産業医になるための科学研修・実習にも，独立の科目としてメンタルヘルスが掲げられていることに照らせば，産業医には，メンタルヘルスにつき一通りの医学的知識を有することが合理的に期待されるものというべきであるとした。<br />
　そして，たしかに自律神経失調症という診断名自体，交感神経と副交感神経のバランスが崩れたことによる心身の不調を総称するものであって，特定の疾患を指すものではないが，一般に，うつ病や，ストレスによる適応障害などとの関連性は容易に想起できるのであるから，自律神経失調症の患者に面談する産業医としては，安易な激励や，圧迫的な言動，患者を突き放して自助努力を促すような言動により，患者の病状が悪化する危険性が高いことを知り，そのような言動を避けることが合理的に期待されるものと認められるとし，Ｘとの面談におけるＹの言動は，上記の注意義務に反するとした。<br />
　さらに，本件面談とＸの病状悪化との因果関係については，Ｘの病状悪化が本件面談におけるＹの言動により生じたものであるとして因果関係を認め，Ｘの復職が遅れたことによる減収は３０万円を下らないものであるとし，Ｘの精神的苦痛を金銭で慰謝するには３０万円が相当であるとした。&nbsp;<br />
]]></description>
            <link>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/10/entry_1195/</link>
            <guid>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/10/entry_1195/</guid>
            
            
            <pubDate>Tue, 28 Oct 2014 22:08:49 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>交通事故の後遺障害(H22.12.14判決)</title>
            <description><![CDATA[（はじめに）<br />
　交通事故では，症状固定となった後，後遺障害が残存する場合は，後遺障害に基づく損害を相手方に請求します。<br />
　今回は，後遺障害の中で，外貌醜状痕に関する後遺障害の損害について判示した裁判例（秋田地判平成２２年１２月１４日（平成２１年（ワ）第３５４号））をご紹介します。<br />
&nbsp;<br />
（事案の概要）<br />
　本件は交通事故に基づく損害賠償請求の事案である。交通事故の態様は，原告Ｘ１が運転し，妻の原告Ｘ２が同乗する普通乗用自動車の走行車線に被告Ｙ１が運転し，被告Ｙ２が保有する普通乗用自動車がセンターラインを越えて進入したために両車が衝突し，原告らが受傷したというものである。<br />
　原告らは，被告Ｙ１に対しては不法行為に基づき，被告Ｙ２に対しては自賠法３条に基づき，損害賠償金の連帯支払を求めた。<br />
&nbsp;<br />
（裁判所の判断）<br />
　本件の争点は，損害額である。<br />
　特に，原告は，労災認定における外貌醜状障害について，男子を１４級，女子を１２級とする後遺障害別等級表の基準に従った認定は不合理な差別的取扱いであり，平等原則に反するから，原告（男子，５２歳，銀行課長職）の外貌醜状障害については後遺障害別等級表１２級１４号該当として評価すべきであると主張したため，その主張の当否が争われた。<br />
　裁判所は，労働能力の低下の程度に関して，後遺障害別等級表の等級毎の労働能力喪失率はあくまで参考にすぎず，被害者の職業，年齢，性別，後遺症の部位，程度，事故前後の稼働状況等を総合的に判断して具体的な事案に応じて評価されるのであり，後遺障害別等級表上の等級評価から演繹的に導き出されるものではないとした上で，原告Ｘ１の職業・職種（銀行課長職，債権管理），年齢（症状固定時５２歳），醜状の部位・形状・程度に照らし，原告Ａの外貌醜状障害が労働能力に与える影響は差程とは思われず，本件の後遺障害全体による原告Ｘ１の労働能力の低下の程度は，原告Ｘ１の上記主張の肯否にかかわらず，後遺障害別等級表１２級相当の１４％に留まると認めるのが相当であるとした。&nbsp;&nbsp;<br />
]]></description>
            <link>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/10/entry_1191/</link>
            <guid>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/10/entry_1191/</guid>
            
            
            <pubDate>Mon, 27 Oct 2014 22:17:47 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>離婚後の監護費用の請求(H23.3.18判決)</title>
            <description><![CDATA[（はじめに）<br />
　今回は，離婚後の子どもの監護費用（養育費）の請求が，権利濫用にあたり認められないとされた判例（最判平成２３年３月１８日（平成２１年（受）第３３２号）離婚等請求本訴，同反訴事件）を紹介します。<br />
&nbsp;<br />
（事案の概要）<br />
　本件は，Ｘ（夫）が，Ｙ（妻）に対し，離婚等を請求するなどし，Ｙが，反訴として，Ｘに対し，離婚等を請求するとともに，長男，二男及び三男の養育費として，判決確定の日から，長男，二男及び三男がそれぞれ成年に達する日の属する月まで，一人当たり月額２０万円の支払いを求める旨の監護費用の分担の申立て等をした事案である。<br />
　Ｘは，監護費用について，二男との間には自然的血縁関係がないことから，監護費用を分担する義務はないと主張した。なお，Ｘは，本件提訴前，二男との間の親子関係不存在確認の訴え等を提起したが，同訴えについては却下する判決が言い渡され，同判決は確定している。<br />
　原審は，Ｘと二男との間に法律上の親子関係がある以上，Ｘはその監護費用を分担する義務を負うと判断した。<br />
&nbsp;<br />
（最高裁判所の判断）<br />
　最高裁判所は，ＹがＸに対し離婚後の二男の監護費用の分担を求めることは，権利の濫用に当たるとした。<br />
　理由は以下のとおり。ＹはＸと婚姻関係にあったにもかかわらず，Ｘ以外の男性と性的関係を持ち，その結果，次男を出産したが，それから約２か月以内に二男とＸとの間に自然的血縁関係がないことを知ったにもかかわらず，これをＸに告げず，Ｘがこれを知ったのは二男の出産の７年後のことであったため，Ｘは，二男につき，民法７７７条所定の出訴期間内に嫡出否認の訴えを提起することができず，そのことを知った後に提起した親子関係不存在確認の訴えは却下され，もはやＸが二男との親子関係を否定する法的手段は残されていない。他方，Ｘはこれまでに二男の養育・監護のための費用を十分に負担してきており，Ｘが二男との親子関係を否定することができなくなった上記の経緯に照らせば，Ｘに離婚後も二男の監護費用を分担させることは，過大な負担を課すものである。ＹはＸとの離婚に伴い，相当多額の財産分与を受けることになるのであり，離婚後の二男の監護費用を専らＹに分担させることができないような事情はうかがわれないから，子の福祉にも反しない。<br />
　以上の事情を総合考慮すると，ＹがＸに対し離婚後の二男の監護費用の分担を求めることは，監護費用の分担につき判断するに当たっては子の福祉に十分配慮すべきであることを考慮してもなお，権利の濫用に当たるというべきである。&nbsp;<br />
]]></description>
            <link>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/10/entry_1189/</link>
            <guid>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/10/entry_1189/</guid>
            
            
            <pubDate>Sat, 25 Oct 2014 15:16:10 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>葬儀費用の請求(H24.3.29判決)</title>
            <description><![CDATA[（はじめに）<br />
　相続や遺言の案件，成年後見に関する案件などにおいて，葬儀費用を誰が負担すべきかということが問題となることがあります。<br />
　そこで，今回は，葬儀費用の負担に関する裁判例（名古屋高判平成２４年３月２９日（平成２３年（ネ）第９６８号）貸金返還等請求控訴事）についてご説明します。<br />
&nbsp;<br />
（事案の概要）<br />
　亡Ａは，平成２１年１２月に死亡し，その相続人は，長男Ｙ１及び二男Ｙ２であった。Ｘは，亡Ｅの兄弟であったところ，喪主として亡Ａの葬儀等を主宰し，通夜，葬儀，火葬及び初七日の法要を行った。<br />
　そこで，Ｘは，葬儀費用は相続財産又は相続人が負担すべきであるなどと主張して，Ｙらに対して，①Ｘが支出した葬儀費用について不当利得返還請求をした。<br />
　その他にも，Ｘは，亡Ａが締結していた賃貸借契約の解約をし，原状回復費用として１０万１５８８円を支出したとして，Ｙらに対し，②事務管理に基づく費用償還請求権に基づき，それぞれ５万円余の支払を，③Ｘが，亡Ａの債務を立替払いしたと主張して，Ｙらに対し，それぞれ８０００円余の支払を，④Ｘが，亡Ａに対し，２回にわたって計１００万円を貸し付けたとして，金銭消費貸借契約に基づき，Ｙらに対し，それぞれ５０万円の支払を求めた。<br />
　原審は，②③を認め，その余の請求を棄却したため，Ｘは敗訴部分を不服として控訴した。<br />
&nbsp;<br />
（裁判所の判断）<br />
　本件においては，特に，Ｘが亡Ａの葬儀費用を支出したとして他の相続人らに返還請求を求めた点に対する判断を取り上げたい。<br />
　裁判所は，一般論として，葬儀費用とは，死者の追悼儀式に要する費用及び埋葬等の行為に要する費用と解されるが，亡くなった者が予め自らの葬儀に関する契約を締結するなどしておらず，かつ，亡くなった者の相続人や関係者の間で葬儀費用の負担についての合意がない場合においては，追悼儀式に要する費用については同儀式を主宰した者，すなわち，自己の責任と計算において，同儀式を準備し，手配等して挙行した者が負担し，埋葬等の行為に要する費用については亡くなった者の祭祀承継者が負担するものと解するのが相当であるとした。<br />
　そして，本件については，亡Ａは予め自らの葬儀に関する契約を締結するなどしておらず，かつ，亡Ａの相続人であるＹらや関係者であるＸらの間で，葬儀費用の負担についての合意がない状況において，Ｘが，亡Ａの追悼儀式を手配し，その規模を決め，喪主も務めたのであるから，Ｘが亡Ａの追悼儀式の主宰者であったと認められ，Ｘが亡Ａの追悼儀式の費用を負担すべきものというべきである。他方，亡Ａの遺骸，遺骨の埋葬等の行為に要する費用については，亡Ａの祭祀を主宰すべき者が負担すべきものであるが，亡Ａの祭祀を主宰すべき者については，亡Ａにおいてこれを指定していた事実は認められないから，民法８９７条１項本文により，慣習に従って定められるべきものであるが，亡ＡにはＹらという二人の子があるものの，２０年以上も親子の交渉が途絶えていた状況である一方，兄弟であるＸらとの間に比較的密な交流があった事情が認められることも考慮すると，亡Ａの祭祀を主宰すべき者を亡Ａの子であるＹら又はそのいずれかとすることが慣習上明白であると断ずることはできず，結局，本件における証拠をもってしては，亡Ａの祭祀を主宰すべき者を誰にすべきかに関する慣習は明らかでないというほかない。そうすると，家庭裁判所で，同条２項に従って，亡Ａの祭祀承継者が定められない限り，亡Ａの遺骸等の埋葬等の行為に要する費用を負担すべき者が定まらないといわざるを得ない。<br />
　したがって，ＸがＹらに対し，葬儀費用を請求する法的根拠はないというべきであるとした。&nbsp;&nbsp;<br />
]]></description>
            <link>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/10/entry_1188/</link>
            <guid>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/10/entry_1188/</guid>
            
            
            <pubDate>Sat, 25 Oct 2014 15:11:45 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>「相続させる」遺言の効力(H23.2.22判決)</title>
            <description><![CDATA[（はじめに）<br />
　相続・遺言の案件では，「相続させる」旨が記載された遺言の効力がよく問題となります。そこで，今回は，これに関する判例（最判平成２３年２月２２日（平成２１年（受）第１２６０号）土地建物共有持分権確認請求事件）について説明します。<br />
&nbsp;<br />
（事案の概要）<br />
　 被相続人Ａは，平成５年２月１７日，Ａの所有に係る財産全部をＡの子であるＢに相続させる旨を記載した公正証書遺言書を作成した。Ｂは，その後，平成１８年６月２１日に死亡し，Ａが同年９月２３日に死亡した。Ａの子であるＸは，遺産の全部をＡのもう一人の子であるＢに相続させる旨のＡの遺言は，ＢがＡより先に死亡したことにより効力を生ぜず，ＸがＡの遺産につき法定相続分に相当する持分を取得したと主張して，Ｂの子であるＹらに対し，Ａが持分を有していた不動産につきＸが上記法定相続人に相当する持分等を有することの確認を求めた。<br />
　原審は，本件遺言は，ＢがＡより先に死亡したことによって効力を生じないこととなったというべきであるとして，Ｘの請求を認容したが，これを不服としてＹが上告した。<br />
&nbsp;<br />
（最高裁判所の判断）<br />
　本件の争点は，「相続させる」旨の遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合における当該遺言の効力である。<br />
　最高裁場所は，まず，「相続させる」旨の遺言は、当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には、当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係、遺言書作成当時の事情および遺言者の置かれていた状況などから、遺言者が、上記の場合には、当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り、その効力を生ずることはないと解するのが相当であるとした。<br />
　そのうえで，本件においては，ＢはＡの死亡以前に死亡し，本件遺言書には，Ａの遺産全部をＢに相続させる旨を記載した条項及び遺言執行者の指定に係る条項のわずか２か条しかなく，ＢがＡの死亡以前に死亡した場合にＢが承継すべきであった遺産をＢ以外の者に承継させる意思を推知させる条項はない上，本件遺言作成時，Ａが上記の場合に遺産を承継する者についての考慮をしていなかったことから，上記特段の事情も認められず，本件遺言はその効力を生じないとした。&nbsp;<br />
]]></description>
            <link>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/10/entry_1185/</link>
            <guid>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/10/entry_1185/</guid>
            
            
            <pubDate>Wed, 22 Oct 2014 22:26:43 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>婚約破棄と慰謝料(H24.3.28判決)</title>
            <description><![CDATA[（はじめに）<br />
　当事務所では，離婚問題以外にも，様々な男女問題を取り扱っております。<br />
　離婚問題以外の男女問題として多いのは，婚約破棄や内縁解消に関する問題ですので，今回は，婚約破棄に基づく慰謝料に関する裁判例（岡山地判平成２４年３月２８日（平成１９年（ワ）第２０２１号））をご紹介します。<br />
&nbsp;<br />
（事案の概要）<br />
　本件は，原告が，昭和６１年に他の男性と婚姻して一男一女を出産し，平成１９年７月に参議院議員選挙に当選した被告に対し，平成１３年１２月に性的関係を持ち，平成１６年２月に伊勢神宮に特別参拝して婚約していたのに，参議院議員選挙出馬を控えた平成１８年１０月，被告から婚約を不当に破棄されたとして，不法行為に基づく損害賠償として慰謝料２８００万円と遅延損害金の支払を求めた事案である。<br />
&nbsp;<br />
（裁判所の判断）<br />
　本件の争点は①婚約が成立していたといえるか，②婚約を不当に破棄したといえるか等である。<br />
　裁判所は，まず一般論として，婚約（婚姻の予約）は，諾成契約であるから，当事者が真実夫婦として共同生活を営む意思で婚姻を約したものであれば足り，必ずしも同棲を伴う必要はなく，また，結納などの特段の方式も不要であるけれども，何ら外形的な事実関係を伴わない場合には，両者間における婚約の成立については相当慎重に判断する必要があるというべきであるとした。<br />
　その上で，本件において，原告と被告は，遅くとも平成１４年３月下旬ころから平成１８年１０月ころまでの長期にわたり，二人で全国各地に旅行をするなどして，性交渉を伴った交際を続けていたのであって，その間，血酒の誓いや，伊勢神宮への特別参拝を経て，最終的には，共同経営をするに至ったのではあるが，それ以上に，原告において両親に被告との婚約を報告したり，被告においては既婚者であり原告と結婚するには法律上の障害があったにもかかわらず，夫と離婚の協議をしたりするなど，いずれも結婚に向けた具体的な行動をとった事実は認められず，このように，何ら外形的事実関係がないことに照らすと，両者間における婚約の成立については相当慎重に判断する必要があるとした。<br />
　そして，原告と被告の二人の間においてすら，結婚の時期や，結婚に向けた手続等について具体的な話が進んでいたとは認められないことからすれば，仮に，原告と被告間において，将来の結婚に関する言辞が交わされていたとしても，それは両者間における恋愛感情を高め，男女関係を維持するためのものとみるのが相当であり，これをもって法的保護に値する婚約とまで認めることはできないというべきであるとした。&nbsp;<br />
]]></description>
            <link>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/10/entry_1182/</link>
            <guid>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/10/entry_1182/</guid>
            
            
            <pubDate>Wed, 22 Oct 2014 21:52:06 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>連帯保証人の責任(H25.1.31判決)</title>
            <description><![CDATA[（はじめに）<br />
　当事務所では、不動産に関する案件も数多く取り扱っており、特に、賃料請求や立ち退きに関するご相談、連帯保証人の責任等に関するご相談も多いです。<br />
　そこで、今回は、連帯保証人に対して賃料請求がなされた事案に関する裁判例（大阪地判平成２５年１月３１日（平成２４年（ワ）第６８７７号）建物明渡等請求事件）をご紹介します。<br />
　今回の裁判例は、事案の概要も裁判所の判断の内容もやや難しいので簡単に説明しておくと、貸主（家主）が、借主が賃料を払わないことを理由に賃貸借契約の解除をした後、連帯保証人に対して多額の滞納賃料の請求をした場合に、その請求が全て認められるかどうかという問題です。<br />
　これに対して、裁判所は、借主が行方不明となり、借主が賃料を払わないことが分かりきっているのに、家主が連帯保証人にこれを知らせず放置して、未払賃料額をふくれあがらせておいて、連帯保証人に対して全額を請求することは、貸主としての正当な権利の行使とはいえないとして、貸主の請求を一部しか認めませんでした。これは、連帯保証人の責任を制限した裁判例といえます。<br />
&nbsp;<br />
（事案の概要）<br />
&nbsp; 本件は，建物賃貸借契約の賃貸人であるＸ（本件建物内に本店を置く会社）が，賃借人Ａの連帯保証人であるＹら（Ａの連帯保証人である実兄Ｂの相続人３名（Ｂの配偶者及び子））に対し，賃貸借契約が賃料不払いを理由に解除されたとして，平成１７年１月分以降の未払賃料の合計７０２万円及び毎月の未払賃料に対する年１４．６パーセントの割合による各遅延損害金の合計約３７１万円，並びに，明渡済みまでの月額賃料の１．５倍の賃料又は損害金の連帯支払を求めた事案である。<br />
&nbsp; ＸとＡとの間の本件賃貸借契約には，賃貸期間を２年（ただし，賃貸人及び賃借人双方に異議がないとき又は一方から何ら申出がないときは同一条件で契約が更新される）とし，毎月の賃料につき支払を怠ったときは年１４．６パーセントの割合による遅延損害金を支払う，契約解除後退去済みまでは賃料の１．５倍の賠償金を支払うとの約定が存在していた。<br />
&nbsp;<br />
（大阪地方裁判所の判断）<br />
　本件における争点は，Ｘの請求が信義則に反するといえるか否かである。<br />
&nbsp; 大阪地方裁判所は，本訴請求債権のうち，５年以上前の賃料債権については，時効により消滅したものと認められるとしたうえ，さらに，Ｘは，本件建物部分のある建物内に本店を置き，原告代表者も上記建物内に住所を置いており，Ａによる本件建物部分の管理，賃料の支払等の賃借人としての義務の履行状況を容易に把握できる立場にあったのに対し，連帯保証人Ｂは，本件建物部分から離れた場所に居住しており，Ａの賃借人としての義務の履行状況を十分に把握できる立場になかったこと，Ａが荷物を残して行方不明となってしまうといった事態になり，本件建物の賃借人として負う債務の任意履行が全く期待できない状況に立ち至った場合にも，賃貸人であるＸは，連帯保証人であるＢを頼みとすることができる一方，Ｘが賃借人であるＡ不在の状況をそのまま放置して本件賃貸借が更新されるにまかせれば，それだけ連帯保証人であるＢの負うべき負担はふくれ上がること，原告代表者がＢに電話をしたのは，Ａが行方不明となる前のことであって，しかも，Ｂに伝えた内容は全く判然としない上，Ａが行方不明となった後は７年近くも何もせずに放置したことを原告自身が認めていること等に照らすと，平成１６年９月にはＡが行方不明となったというのであり，その賃借人としての債務の任意履行が全く期待できない状況が現出したといえるから，権利行使をするかどうかは権利者の自由であるとの原則を最大限考慮したとしても，少なくとも，本件賃貸借がＡが行方不明となってから２回目の更新を迎えた平成１９年５月１３日以後に生じる関係については，ＸがＢに対して連帯保証人の責任を追及することは信義誠実の原則に反し許されないというべきであるとし，Ｘの請求を棄却した。&nbsp;<br />
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            <link>https://www.takeguchihori-law.jp/blog_precedent/2014/10/entry_1181/</link>
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            <pubDate>Mon, 20 Oct 2014 22:30:01 +0900</pubDate>
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