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判例(裁判例)紹介 2026年3月アーカイブ

駐車場内での後退車と後続車の事故と過失割合(大阪地裁令和4年10月5日判決)

pencil事案の概要
本件は,店舗駐車場内において発生した自動車同士の衝突事故です。

car被告車(普通乗用自動車)は駐車場に進入した後,一旦停止し,
空いている2区画のいずれかに駐車するため,左斜め後方へ後退を開始しました。
一方,原告車(普通乗用自動車)は,被告車に続いて駐車場に進入し,
被告車が停止した際には,その後方約6〜7mの位置で停止していました。
その後,被告車の左前部と原告車の右前部とが衝突し,本件事故が発生しました。
ChatGPT Image 2026年3月24日 19_30_13.png
pencil裁判所の判断
裁判所は,被告について,後退にあたり十分な後方確認を行っていなかった点で過失を認めました。

もっとも,原告についても,被告車に続いて駐車場に進入した時点で,
被告車が空いている駐車区画に入るため後退する可能性は十分に予見できたと判断しました。
そのうえで,原告は,被告車および駐車区画から一定の距離を保って待機すべきであり,
被告車の進路となり得る位置に停止していた点に注意義務違反があるとされました。

以上から,裁判所は,原告の過失の方が相対的に大きいと評価し,
原告について60%の過失相殺を認めました。

clipコメント
駐車場内での事故は,一般道路とは異なり,進行方向や優先関係が明確でない場面が多く,
当事者双方に広く注意義務が課される傾向があります。
本件では,後退車である被告の過失が前提となりつつも,
「前車が駐車のために後退することは通常想定される」という点が重視され,
後続車である原告の対応が問題とされました。

特に,駐車場内では,前車の動静に応じて十分な距離を確保し,
その進路を妨げない位置で待機することが求められます。
本判例は,駐車場内事故においては,単に後退車であるという理由のみで過失が重く評価されるとは限らず,
具体的状況に応じて後続車の過失がより大きく認定され得ることを示した点で,実務上参考になる裁判例といえます。
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