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弁護士の交通事故コラム 2025年7月アーカイブ
過失割合に納得がいかないとき,どう対応する?

~交通事故の示談で不利にならないために~

交通事故に遭った際、保険会社から提示された「過失割合」に納得がいかない――
そんなご相談は、当事務所にも数多く寄せられます。
例えば、信号のある交差点で青信号を直進中に横から追突されたのに、
「あなたにも2割の過失があります」と言われたなど、感覚的には「自分は悪くない」と思える場面でも、
保険会社は「判例に基づく基準です」として一方的に数字を提示してくることがあります。
しかし、この過失割合は交渉次第で変わることもあるのです。
過失割合はどうやって決まるのか?
保険会社は、交通事故に関する過去の裁判例などをまとめた「別冊判例タイムズ」をもとに、
事故類型ごとにある程度の基本的な過失割合の目安を提示してきます。
たとえば…
- 信号のない交差点での出会い頭事故:5対5が基本
- 車線変更時の接触事故:7対3が基本(変更車側に7)
- 追突事故:10対0が基本(追突した側が10)
…など、一定のパターンが存在します。
しかし、現実の事故は千差万別です。
「基本的な型」だけで判断するのは、しばしば不公平な結果を招きます。
「修正要素」で過失割合は変わる
判例タイムズでは、基本割合に加えて「修正要素」による調整も認めています。
具体的には以下のような事情がある場合、過失割合の変更が検討されます。
- 一時停止の有無や標識の見落とし
- スピードの出しすぎ(制限速度超過)
- 見通しの悪さ、道路状況(夜間・雨天など)
- 高齢者や子どもの飛び出しなど
つまり、過失割合は絶対的なものではなく、交渉や立証によって変えられる可能性があるのです。
過失割合に納得できないときの対応方法
過失割合が提示されたとき、「おかしい」と感じたら、以下の対応をおすすめします。
1.示談にすぐ応じない
一度示談に応じてしまうと、後から変更することは非常に困難です。
保険会社からの提案には「慎重に」対応しましょう。
2.事故状況を整理・証拠を保存
- ドライブレコーダー映像
- 現場写真、信号機や標識の有無
- 警察の実況見分調書(入手可能)
3.弁護士に早めに相談
交渉力と法律的な知見が必要になるため、早い段階で交通事故に強い弁護士に相談することで、有利な条件を引き出せる可能性があります。
弁護士が交渉に入ると何が変わる?
弁護士が保険会社と直接交渉することで、
- 客観的な証拠をもとに「修正要素」を主張できる
- 過去の判例に基づいた交渉が可能になる
- 感情論ではなく、法的な根拠に基づいて対抗できる
といったメリットがあります。
また、弁護士費用特約があれば、自己負担0円で対応可能なケースもあります。
過失割合は「争える」もの
交通事故の示談では、提示された条件が必ずしも妥当とは限りません。
過失割合に納得がいかないときこそ、専門家の出番です。
「自分だけではどうにもできない」と感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。
当事務所では、初回相談を30分無料で承っております。

(竹口・堀法律事務所)
2025年7月15日 18:15
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