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トピックス 2013年12月アーカイブ

交通事故による死傷事件に関する刑事罰の強化 ~佐世保・長崎の弁護士 竹口・堀法律事務所(交通事故)~

 近年,交通事故による死傷事件数は減少傾向にあるようですが,一方で,飲酒運転や無免許運転などによる悪質な死傷事件はまだまだ数多く発生しています。
 これまで,交通事故による死傷事件に関する刑事罰については,危険運転致死傷罪(刑法208条の2)や自動車運転過失致死傷罪(刑法211条2項)を新設するなど,あくまでも刑法において刑事罰を定めることによって対応してきましたが,今回,それでは不十分であるとして,交通事故に関する死傷事件については新たに法律を設け,同法の中で,刑事罰が定められることとなりました。
 すなわち,悪質な交通事故による死傷事件に関する刑事罰を強化するために,平成25年11月,「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律案」が公布されました。
 これまでは,「危険運転」に該当する行為であれば,危険運転致死傷罪によって重い刑事罰を科すことができましたが,「危険運転」に該当しない行為については,自動車運転過失致死傷罪による刑事罰を科すことしかできませんでした。これでは,飲酒運転や無免許運転による悪質な事故を起こした場合でも,「危険運転」という要件を充たさない場合は,自動車運転過失致傷罪により処罰することしかできませんでした。
 しかしそれでは,悪質な交通事故によって死傷した被害者にとっては,「危険運転」に該当するかどうかで大きな違いがでてしまい,不公平ではないかという意見が寄せられていたところでした。
 そこで,今回の法律では,「危険運転」という要件を充たさない場合であっても,飲酒運転や無免許運転といった悪質な行為によって交通事故を起こし,他人を死傷させた場合には,これまでよりも重く処罰することとしました。
 長崎や佐世保でも,交通事故は後を絶ちませんし,悪質な死傷事件も起こっています。特に,長崎や佐世保は,平地が少ないため道路の道幅が狭くなっている場所も多いですし,坂も多いことから,交通事故数は決して少なくありません。私の経験としても,長崎や佐世保の交通事故案件について,多数のご依頼を受けてきました。交通事故に関する被害者の方々からご依頼を受けるケースも多数ありますし,交通事故を起こしてしまった被疑者や被告人の側に立つケースもあります。
 これから,年末年始を迎えます。年末年始という時期は,時節柄,飲酒に関する事件が多発する時期です。もちろん,長崎や佐世保も例外ではありません。長崎や佐世保のみなさんが,交通事故を起こすことがないよう,また,交通事故の被害にあうことがないようにと願っています。

竹口・堀法律事務所
代表弁護士 竹口将太

※危険運転致死傷罪の罰則:死亡させた場合は1年以上20年以下の懲役刑,負傷させた場合は15年以下の懲役刑
※自動車運転過失致死傷罪の罰則:7年以下の懲役刑・禁固刑か100万円以下の罰金刑
 
 

長崎・佐世保の弁護士人口 ~佐世保・長崎の弁護士 竹口・堀法律事務所(法律問題一般)~

 司法制度改革が行われたことなどにより,近年,弁護士数が増えてきたといわれています。それでは,果たして,現在どのくらいの数の弁護士がいるのでしょうか。
 ここで,日弁連の最新のデータ(2013.3.31時点)における弁護士数を見ると,現在日本全国で合計33624名の弁護士が登録をしています。
 地域別に見ると,弁護士数が最も多い都道府県は東京都で,合計15679名(東京弁護士会・東京第一弁護士会・東京第二弁護士会の合計)の弁護士が登録しています。
 九州では,弁護士数が最も多いのは福岡県で,合計1039名の弁護士が登録をしています。一方,わが長崎県の弁護士数を見ると,長崎県全体で154名,佐世保市で29名となっています。長崎でも,近年弁護士数は増え続けており,この2013年12月には,長崎県全体で数名,佐世保にもさらに2名の弁護士が登録をすることとなりました。
 弁護士数の増加という問題は,弁護士側からすると,弁護士数が増えることによって自分達の仕事が減少することにつながるため好ましくないと考える弁護士もいるかもしれません。
 しかしながら,弁護士が増えることにより,困ったときに相談できる場所が増えるということは,市民の皆様にとっては望ましいことではないかと思います。
 佐世保市民の皆様や長崎市民の皆様をはじめ,長崎県民の皆様には,弁護士をもっと身近に感じていただきたいと考えています。

竹口・堀法律事務所
代表弁護士 竹口将太

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