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遺言の効力に関する判例(H26.5.21)

(事案の概要)
本件は,被相続人A(大正14年生,平成23年死亡)が夫のBが死亡した後である平成21年9月5日(当時84歳)にした「Aの全ての財産を長男Y1に相続させる」とする自筆遺言証書2通に係る各遺言について,Aの長女であるXが,長男であるY1及び同人の長男であり平成22年5月届出によりAの養子となったY2に対し,本件各遺言時のAには遺言意思能力がなかったなどと主張して,本件各遺言の無効確認を求めた事案である。
 原判決が本件各遺言時におけるAの遺言意思無能力を認め,Xの請求を認容したところ,これを不服としたYらが控訴した。
 
裁判所の判断)
 本件の争点は,Aが本件各遺言書作成時に遺言意思無能力者であったか否かである。
 裁判所は,本件各遺言書作成前後のAの精神状態及び日常生活の状況に係る詳細な事実認定をした上,この認定判断に反する甲診療所作成の弁護士法23条の2所定の照会に対する回答書の所見を排斥し,上記成年後見申立事件で提出された甲診療所の内科医師作成の平成22年5月26日付け診断書の証明力を限定して解し,本件各遺言当時にAが重度のアルツハイマー型認知症により事理弁識能力を欠いて心神喪失の常況にあたったと認定することは困難であるといわざるを得ないとした。そして,本件各遺言書の形式及び内容から見ても,Aが決意した本件各遺言の内容をその意のままに記載して封入したと見られ,作為性のない自然な状態にあること,本件各遺言をする意思を決定したと推測することができる経緯及び動機が認められることし,他に本件各遺言書作成時にAが遺言意思無能力者であったことを認めるに足りる的確な証拠はないとして,Xの遺言意思無能力の主張を排斥し,原判決を取り消してXの請求を棄却した。 

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