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トピックス 2019年11月アーカイブ

平成30年度長崎県消費生活センター苦情・相談の概要

平成30年度長崎県消費生活センター苦情・相談の概要
• 相談受付件数は2,371件、前年度に比べ19.7%減少
• 「デジタルコンテンツ」が全ての年代で相談件数1位に
• 商品では14年連続して「健康食品」が、役務(サービス)では11年連続して「デジタ ルコンテンツ」が相談件数1位
• 70歳以上の相談件数が最多で、60歳代と合わせると全体の約半数

受付件数の推移
平成30年度に、県消費生活センターが受け付けた相談件数は2,371件(苦情・相談2,263件、問い合わせ108件)で、前年度に比べ583件、19.7%の減でした。

年代別相談件数
相談件数を年代別に見ると全世代で減少した。
特に20歳未満の相談が半減し、40歳から60歳代の減少幅が大きくなっている。
年代が高くなる程、相談件数は多くなり、70歳以上の相談件数が最多となっている。
60歳代、70歳以上は全体の約半数を占めている。


商品・役務(サービス)の種類別上位項目

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年代別上位の商品・役務(サービス)
全体で見ると、全ての年代で昨年度に引き続き「デジタルコンテンツ」(携帯電話・パソコン等からインターネットを通じて得られる情報)関連が1位を占めました。
上位の商品・役務(サービス)については、若干の順位の変動は見られるものの大きな変化はありません。

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被害救済額
(県消費生活センターで被害を救済できた金額)
平成30年度の相談のうち、クーリング・オフや特定商取引法・消費者契約法等を活用した助言や斡旋により326件について、8,052万円を救済することができました。

県内市町における苦情相談
市町の消費生活センター・相談窓口への相談件数は8,335件で、県と市町を合わせた相談件数は10,706件でした。前年度に比べ13.1%、1,615件の減少となっています。
詳しくは、ながさき消費生活館「平成30年度相談統計」をご覧ください。
https://www.nagasaki-shouhi.jp

点検商法のトラブル~その場で契約しないようにご注意~
【相談事例】
3日前、突然家に訪ねてきた業者に「屋根瓦が浮いたように見える。無料で点検する」と言われた。
点検してもらうと、修理が必要とのことで「梅雨前にやっておかないと大変なことになる」「今なら60万円でできる」などと強く勧誘され、断りきれずに契約してしまった。
不審だったので昨日、知り合いの大工さんに調べてもらったら「瓦は浮いていない」とのことだった。
嘘だったので解約したい。
(80代、女性)

【アドバイス】
事例のケースは点検商法といって「無料で点検します」と販売目的を隠して消費者に近づく手口です。
点検を頼むと、屋根や床下など普段なかなか入れないような場所に入っていき、「大変だ!」「早く何とかしないと危ない!」などと不安を煽って、工事契約を誘います。
工事以外にも布団の点検や水道水の検査などもあって、高い羽毛布団や浄水器などを売りつけるケースもあります。
こういう業者は、「今日契約するなら特別に値引きする」「商品は残りわずか」などと契約を急がせようとしますが、その場で契約してはいけません。
工事や商品の契約が必要かどうかは、家族や周りの人にも相談しましょう。
訪問販売で契約した場合は、契約書面を受け取ってから8日以内であればクーリングオフ(無条件契約解除)が可能です。
期限を過ぎていても契約解除ができるケースもありますので、トラブルになったらすぐに消費生活センターに相談しましょう。

フィッシング詐欺~個人情報を入力する際は慎重に~
【相談事例】
携帯会社から私の携帯が不正アクセスされているとメールが届いた。
ユーザーIDとパスワードの変更が必要との連絡で、変更手続きのURLをタップすると携帯会社のホームページに繋がり、指示に従って手続きを行った。
後日、携帯会社から高額な利用をしていると連絡があったので確認してみると、何かのチケット12万円が契約されていた。
携帯会社に覚えのない契約と言っても「チケット業者と話し合ってください」と言うばかりだ。どうすればいいか。
(30代、男性)

【アドバイス】
フィッシング詐欺は、まず金融機関や電話会社などを装ってパソコンやスマートフォンに電子メールが送られてきます。
利用している業者からのメールと思い込んで記載されたアドレスにアクセスすると、本物そっくりに作られた偽のホームページが出てきて、個人の重要な金融情報(クレジットカード番号、ユーザーID、パスワード等)を入力させられ、その情報を使ってお金をだまし取ります。.
個人の金融情報に基づき正規の手続きで契約が行われていれば、被害回復は非常に困難になります。
「本人しか知り得ない情報で手続きされている」と解約に応じてもらえない場合もあります。
個人の金融情報の入力が必要なメールに対しては、メールを送信した企業の相談窓口を自分で調べて問い合わせるなど注意してください。
また、被害にあった場合はもちろんですが、偽のメールやホームページを見つけたらすぐに警察のサイバー犯罪相談窓口に連絡しましょう。
情報提供により被害の拡大防止につながります。

消費者トラブルについて、県消費生活センターのホームページに詳しい情報が載せられておりますのでご覧下さい。

出典
長崎県消費生活センター発行
くらしの情報2019秋・冬号11月~2月



当事務所では消費者トラブルに関する相談をお受けしております。
消費者トラブルでは早めの相談が解決の糸口になります。
当事務所では初回相談が30分無料となっております。
もしトラブルに巻き込まれてしまった時には一人で悩まずにできるだけ早く相談にいらして下さい。

個人再生について

借金が増えて返済が難しくなったらもう自己破産しかない!というイメージを持っている方もいますが、債務整理には自己破産以外にも任意整理や個人再生という方法があります。
自己破産を行うと財産がなくなってしまうということで手続きに踏み切れないという方もいらっしゃると思いますが、個人再生の場合には財産を残したまま借金を大幅に圧縮することで借金問題を解決できます。

個人再生とは何か、自分のケースでは個人再生ができるのか、個人再生のメリット・デメリットなどについて紹介したページがございますので詳しくはこちらをご覧下さい。

竹口・堀法律事務所までお気軽にお問い合わせ下さい。当事務所では個人再生申立の経験豊富な弁護士が相談にのっております。(個人再生委員としての経験がある弁護士もおります)
初回相談は30分無料となっています。お一人で悩まずにぜひご相談にいらっしゃって下さい。

賃貸借契約に関するルールの見直し(2020.4)

【2020年4月1日から賃貸借契約に関する民法のルールが変わります。】

2017 年5月に成立した「民法の一部を改正する法律」が2020 年4月1日から施行されます。
この改正では,契約に関するルールを中心に,民法の債権関係の分野について全般的な見直しがされています。
賃貸借契約に関するルールについてそのポイントを説明致します。

賃貸借とは,当事者の一方(賃貸人)がある物を相手方(賃借人)に使用・収益させ,借主がその賃料を支払うことを約束する契約です。
例えば,アパートの一室や自動車などを賃料を支払って借りる契約が賃貸借契約に当たります。



【賃貸借に関する改正のポイント】
今回の民法改正では,賃貸借契約に関連するものとして,次のような点について見直しがされています。

◉  賃貸借継続中のルール
 ◦ 賃借物の修繕に関する要件の見直し
 ◦ 賃貸不動産が譲渡された場合のルールの明確化


◉  賃貸借終了時のルール
 ◦ 賃借人の原状回復義務及び収去義務等の明確化
 ◦ 敷金に関するルールの明確化


◉  賃貸借契約から生ずる債務の保証に関するルール




◉  賃貸借継続中のルール

賃借物の修繕に関する要件の見直し
★事例1-1★
Aさんは,Bさんから家を借りて住んでいる。備付けのエアコンが故障したため,Aさんは,Bさんに対してたびたび修理を依頼しているが,なかなか修理してくれない。

★事例1-2★
Aさんは,Bさんから家を借りて住んでいるが,台風で屋根が損傷し,雨漏りがするようになった。次の台風が接近しており,早く修理したい。

借りている建物が雨漏りするなど,賃借物の修繕が必要な場合でも,賃借物はあくまで賃貸人のものですから,賃借人が勝手に手を加えることはできません。
しかし,実際に賃借物を使っているのは賃借人ですから,賃貸人が修繕してくれない場合でも賃借人は一切自分で修繕することができないとすると,不便です。
改正前の民法には,どのような場合に賃借人が自分で修繕をすることができるのかを定めた規定はありませんでした。

 改正後の民法では,
① 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知したか,又は賃貸人がその旨を知ったのに,賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき
又は
② 急迫の事情があるときには,賃借人が目的物を修繕することができることとされました。
これにより,上記①や②の場合には,賃借人が目的物を修繕したとしても, 賃貸人から責任を追及されることはないことが明確になりました。

賃貸不動産が譲渡された場合のルールの明確化
★事例2★
Bさんは,Aさんに対して自分が所有する建物を貸していたが,その期間中に,Cさんにその建物を売却した。
建物の新しい所有者になったCさんは,Aさんに賃料を請求したが,Aさんは賃料をBさんとCさんのどちらに支払えばいいのかわからないといって,支払ってくれない。

建物の賃貸借契約が続いている間に建物の所有者が代わった場合には,その後は誰が賃貸人になるのか,新しい所有者は賃料を請求することができるのかなどが問題になります。
これらの点について,改正前の民法には規定が設けられていませんでした。

改正後の民法では,賃貸借の対抗要件を備えていた場合に,賃借物である不動産が譲渡されたときは,賃貸人としての地位は,原則として不動産の譲受人(新たな所有者)に移転するという規定を設けました。
また,不動産の譲受人(新たな所有者)が,賃借人に対して賃料を請求するためには, 貸借物である不動産の所有権移転登記が必要である旨の規定を設けました。
上記の事例では,Cさんが賃借物である建物の所有権移転登記を備えれば, Aさんに対して賃料を請求することができ,AさんはCさんに賃料を支払わなければなりません。
Cさんが登記を備えていない間は,A さんは引き続き B さんに賃料を支払うことができますし,賃料を供託することもできます。

◉  賃貸借終了時のルール

賃借人の原状回復義務及び収去義務等の明確化
★事例3★
Aさんは,Bさんから借りていた家を退去することになったが,Bさんから,日焼けしたクロスの張替費用を負担するように求められた。
Aさんとしては,クロスの張替費用まで負担することには納得できない。

賃貸借契約が終了した場合には,賃借人は,賃借物を原状(元の状態)に戻して賃貸人に返還しなければならないと解されています。
また,この原状回復義務の範囲について,一般に,通常損耗(賃借物の通常の使用収益によって生じた損耗)及び経年変化はその対象に含まれていないと解されています。
しかし,これらのルールは改正前の民法の文言上は明確ではありませんでした。

改正後の民法では,賃借人は,賃借物を受け取った後に生じた損傷について原状回復義務を負うこと,しかし,通常損耗や経年変化については原状回復義務を負わないことを明記しました。

●通常損耗・経年変化に当たる例
・家具の設置による床, カーペットのへこみ,設置跡
・テレビ,冷蔵庫等の後部壁面の 黒ずみ(いわゆる電気ヤケ)
・地震で破損したガラス
・鍵の取替え(破損,鍵紛失の ない場合)

●通常損耗・経年変化に当たらない例
・引っ越し作業で生じたひっかきキズ
・日常の不適切な手入れもしくは 用法違反による設備等の毀損
・タバコのヤニ・臭い
・飼育ペットによる柱等のキズ・ 臭い

敷金に関するルールの明確化
★事例4★
Aさんは,Bさんから家を借りた際に「保証金」という名目で賃料債務等の担保として金銭を差し入れていた。
賃貸借契約が終了し,Aさんはこの家を退去したが,賃料の未払等はないのに,Bさんは差し入れた金銭を返還してくれない。

敷金とは,賃貸借に基づいて賃借人が負うことになる金銭債務(賃料債務など)を担保するため,賃借人が賃貸人に交付する金銭のことです。
建物等の賃貸借に当たっては敷金が授受されるのが一般的ですが,改正前の民法には,敷金の定義や敷金返還請求権の発生時期についての規定はありませんでした。

改正後の民法では,これまでの実務に従い,敷金を「いかなる名目によるかを問わず,賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で,賃借人が賃貸人に交付する金銭」と定義しました。
その上で,判例に従い,賃貸借契約が終了して賃借物が返還された時点で敷金返還債務が生じること,その額は受領した敷金の額からそれまでに生じた金銭債務の額を控除した残額であることなどのルールを明確化しています。

◉  賃貸借契約から生ずる債務の保証に関するルールの見直し

今回の法改正では,極度額(上限額)の定めのない個人の根保証契約は無効とするというルールが新たに設けられました。
※ 「根保証契約」とは,将来発生する不特定の債務について保証する契約をいいます。
例えば,不動産の賃借人の一切の債務の保証がこれに当たります。
根保証契約を締結して保証人となる際には,主債務の金額が分からないため,将来,保証人が想定外の債務を負うことになりかねません。

個人(会社等の法人以外の者)が保証人になる根保証契約については,保証人が支払の責任を負う金額の上限となる「極度額」を定めなければ,保証契約は無効となります。
この極度額は,「○○円」などと明瞭に定め,書面に記載しておかなければなりません。
また,個人が保証人になる根保証契約については,次の事情(元本確定事由)があったときは,その後に発生する主債務は保証の対象外となります。
①債権者が保証人の財産について強制執行や担保権の実行を申し立てたとき
②保証人が破産手続開始の決定を受けたとき
③主債務者又は保証人が死亡したとき


【経過措置】
改正法では,賃貸借に関するルールの見直しを含む改正事項について,どのような場合に改正後の新しい民法が適用され,どのような場合に改正前の民法が適用されるのかを明らかにするルール(このルールを「経過措置」といいます。)が定められています。
賃貸借や保証などの契約については,原則として,施行日より前に締結された契約については改正前の民法が適用され,施行日後に締結された契約については改正後の新しい民法が適用されます。


★事例5★
① 施行日前の2019年4月,賃貸期間を2年間として,アパートを借りた。これに合わせて,賃借人の親が,賃借人が賃貸借契約によって負う債務の保証人になった。
② 施行日後の2021年3月,賃貸期間満了により賃貸借契約が終了したが,敷金の返還をめぐってトラブルになった。
施行日より前に賃貸借契約と保証契約の双方が締結されているので,改正前の民法が適用されます。
敷金について新たに設けられた民法622条の2などの規定は,適用されません。
※ 施行日後に当事者が合意によって賃貸借契約や保証契約を更新したときは,当事者はその契約に新法が適用されることを予測していると考えられますから,施行日後に新たに契約が締結された場合と同様に,改正後の新しい民法が適用されます。 
他方で,施行日前に保証契約が更新後の債務も保証する趣旨でされ,保証について合意更新がされなかった場合には,施行日後も当該保証契約については改正前の民法が適用されます。

改正法については、法務省のホームページに説明がございますので、詳細については下記のページをご確認下さい。
法務省ホームページ http://www.moj.go.jp/
改正法の説明 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_001070000.html

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